今日も、
若い大工さん1名が来てくれています。
ところで、
現場の写真で気づかれる方もある
かと思いますが、
古壁と下地の隙間が
広いと思いませんか?
リフォームの仕事を経験した人には
何となくわかると思うのですが、
古い家の柱は、
真っ直ぐに立っているとは
限りません。
更に言えば
同じ方向に、傾いているとも
限りません!
もっと言えば
本来、平行であるはずの壁も、
最初から平気で
歪んで建てられてる建物も、
当たり前に存在します。
何故でしょうか?
昔は無頓着な人が多かったから
と言う説は、
無いと思いますが、
単純に思いつく理由は
地震で歪んだり
もともと、真っ直ぐな材料が、
使われて無かったからですね
この建物のほとんどの木材は、
曲がったり反ったり(暴れると表現します)
しています。
昔の人は、
倹約な人が多かったのでしょう
「勿体無いから有るモノで、何とかしよう」と
古材を使いまわされたりしていたんでしょうね、
大事な場所とか、目立つ場所
例えば、建具の建て付けは、
真っ直ぐな、イイ材料とか、
手間をかけてまで、
真っ直ぐに調整したりしているのですが、
それ以外の部分の少々の事は
「ゲンシャの家じゃないんだから気にすまい」と
考えられてたんじゃないんでしょうか?
(かなりいい加減な解釈ですが‥)
ところで何故、
現在における建物は
この真っ直ぐと言う事が
当たり前になったのか?と考えると
真っ直ぐにする技術が進歩した事と同時に
少しでも仕事が早くなる
からなんです。
逆に言えば、
曲がったモノ
狂いの有るモノを使うと
調整に手間をくってしまって
仕事が進まなくなるのです。
人件費の嵩む現在においては
仕事には、
スピードが求められますので、
いちいち手間のかかる
曲がった材料を使う
手間のかかる仕事は
職人さんが
嫌がる道理なんです。
結果としてご覧のとおり、
狂いの大きいとされる古い建物は
必然的に
たとえ廊下が狭くなろうとも、
目いっぱい壁の下地を、
柱(既存の壁)から離して
クリアランスを多く取り
建てりを(垂直の傾き)を
直さなければなりません。
これが、
古家のリフォームの基本と言うべき、
歪がんだ家の中に、
まっすぐな家を建ててしまう感覚です。
とは言っても、
「何もそこまで古いモノを、否定しなくてもぉねぇ」と
お考えの方も、いらっしゃるでしょう。
そのとおりですよね!
「何が何でも、
まっすぐじゃなきゃ堪えられねぇ」
と言って、
あたりかまわず新建材で
ペタペタ隠してしまうのは、
粋じゃないと、思うんですね。
我々がよく口にする
「逃げれる所は、逃げる」
聞こえは悪いですが、
このフレシキブルな考え方が、
「うそも方便」
若しくは
「四角い所を、丸く納める」
とでも申しましょうか
(そんなこたぁ言わねぇか?)
斜めになったままでも
誰も困らないところや、
気にならないところは、
古い壁のまま活かせてあげる。
そんなイイ意味でのアバウトな感覚も
きもちの持ち方次第ではないでしょうか‥
少しばかし
理屈っぽくなってしまいましたので、
このくらいで‥